五十嵐 清隆 Feed

雨の月曜日。丸の内の街に人影はありません。無人と言っても良いほどです。いつかこんな日が来ることを知っていたように思いますが、私に予知能力が有るわけでもなく多分そんな気がするだけなのでしょう。

この状況下では、私の書くブログといえどコロナ禍について書かざるを得ません。ただ、常に真理の探究を目指す私ですが、コロナについて意見を語るほどの定見を持ち合わせていません。残念です。しかし、悲しんでばかりはいられません。ここ数週間コロナに関する知の巨人達の意見となるべく接したいと思ってきましたが、折角なのでそのご意見のいくつかを切り抜きさせて頂きたいと思います。

1.ウイルス感染は国の違いや貧富の差に関係なく平等に全ての人に起こり得る。しかし、一たび感染したなら貧富の差によってその結果は全然違うものになる。新型ウイルスは格差を助長させ社会の分断を大きくする可能性がある。

 (BS NHK シリーズコロナ危機より)

2.この危機は歴史上最大のものであり、各国はこの危機を抜けたとき巨大な財政赤字と経済的ダメージを抱えているだろう。コロナ後は限られた財源の中で優先順位をつけながらしっかりとした効果的な対策を立てなければならない。

 (BS NHK シリーズコロナ危機より)

3.パンデミック後の世界はどのようなものだろうか。その特徴を一言でいえばグローバリズムの後退と国家の復権ではないだろうか。グローバリズムには国境を越えた世界秩序の構築も含まれる。もし国家の復権が大国が国益のみを追求して競合する世界への転換であるとすれば、国際的緊張の拡大は避けることが出来ない。 

 (国際政治学者 藤原帰一さん 朝日新聞)

4.人類は長い間、生存のために四つの課題と闘ってきた。飢餓、戦争、自然災害、病原体である。これらが経済成長、自由民主主義、科学技術、医学・病理学を生みだした。全て人間の生を盤石にするためである。そしてそれが文明を生み出した。だが現代文明は決してそれらを克服できない。今回のパンデミックで文明の被膜がいかに脆弱なものかが示された。我々の生がいかに死と隣り合わせているものかを我々は改めて知ることとなった。

 (京都大学 佐伯啓思教授 朝日新聞)

5.私たちはとても疲れていたのです。私達の馬も機械も何もかもが疲れていたのです。

 (BS NHK シリーズコロナ危機より)

6.今、最も意味のある社会の構成単位は全人類という構成単位である。 

 (コラムニスト デイビット・ブルックスさん 朝日新聞)

7.大人も子供も不安定になっている?それじゃ聞くけどコロナの前はそんなに安定していた?そんなに充実していたの?今こそ自分で考える頭と敏感で時折きちんとさぼれる身体が必要。心っていう漢字ってパラパラしていて良いと思わない?心は乱れて当たり前。常に揺れ動いて変わる。不安とか不安定こそが生きるってことじゃないかな。

 (絵本作家 五味太郎さん 朝日新聞)

ピアニスト。洗練されかつ優雅にして選ばれた人を想像します。
 
ただしそう呼ばれるためには私達が知ることのないイバラの道を歩む必要があるに違いありません。
一見すると優雅でありながらその陰での努力は圧倒的。繊細でありながら体力が必要。そしてそのたゆまない努力を土台に何千人もの前で自分の世界観を自由自在に表現する度胸と精神力を持ち合わせている。私にとってサッカー選手や弁護士を抜いて成りたい職業NO1です
 
そんな中私もピアニストの仲間入りを果たしました。の訳はなくただピアノを始めてみました。実はウチには20年物の電子ピアノがあるのです。
 
もともとスキーヤーでテニスプレイヤーの私は楽器は全く初めてでピアノを前にしても何をどうして良いのかさへ分かりません。妻から取っかかりを教わりそこからは毎晩40分程自主練習することを日課にしています。まだ指一本の状況ですが鉄の意志は止まることを知りません。修行はやはり荒業でなければならないのでまだまだ甘いですが、仕事の疲れにピアノの疲れが加わり良く眠れるという思わぬ効能もあります。上手く弾けないので自分にイラっとしますが楽しいので驚きます。音楽のない人生などやはりあり得ないのですね。
 
パッハルベルのカノン、ブラームスのワルツ15番、バッハのG線上のアリアなど世の中にはこんなにも美しい旋律があるのかと思います。いくつもの音が重なり合い奇跡の旋律が紡ぎ出されます。
 
目標はいつの日かこのカノンとワルツ15番をマスターしNHKの空港ピアノに出ることです。ヨーロッパのどこかの街の空港が良いですね。たまたま通りすがった感を出しながら気のきいたコメントも必要です。例えば「今日は5年ぶりにこの街に一人旅です。この街の空気が忘れられずまた来ました。ピアノ?生活の一部です。昔はピアニストを目指そうかと思った時期もありましたが、今は自分のために弾いています」などいかがでしょう。
 
楽しみです。皆様近いうちにテレビでお会いしましょう。
下のURLはカノンです。ピアノではありませんが美しい調べをお楽しみ下さい。
 
https://youtu.be/MOBYK_reo-4
 
 

年末年始のバーゲンセールも終わりですね。1年の重大なイベントとは言いませんが、この時期私はついデパートに顔を出してしまいます。

開き直ってしまえば値引きにつられる買い物は醍醐味です。例えば60%引きに思わずジーンズを買ってしまったり、70%引きで考えてもいなかったコートを買ったりとハプニングとも言えます。

最近ではセール内容もエグくなりました。店の入り口に「UP To80%」と看板があったり「全品半額で今日だけはそこから20%引き、さらに当店の会員になると10%引き」や「全品30%引きで2点お買い上げで3点目無料」などあの手この手で売り尽くしです。もう暗算は無理でスマホの電卓機能がありがたく感じます。

ただ世の中は甘くありません。単なる安売りではモノは売れません。常日頃、良い商品が置いてあり魅力的な店だからこそバーゲンに人が集まるというのは納得の理論です。

日本で年間に供給される服の数は実に38億点。その内10億点が売れ残るそうです。日本の1年間の食品ロスは680万トン。産業廃棄物は年間4億トン。その8割が建設関連です。これらの数字は衣食住がゴミの山を作ることを示しています。人間圏の維持は地球に莫大な負担をかけるようです。

サスティナブル=持続可能な社会は一人一人の意識からと言われますが、数字を見る限り効率と利潤の最大化を追求する経済システムに問題があるようです。すでに人類は巨大化しすぎ滅亡に向かっているとも言われます。南極が20度などのニュースを聞き、もうタイムリミットが目の前と誰しもが考えていますが、動き出した車輪があまりにも重すぎてこれを止める方法は誰にも分りません。人類の進化の方向が環境を破壊させるものとするなら、もしかするとこの流れは誰にも止められないのかも知れません。今私たちが太古の昔に恐竜が絶滅したことを学ぶように、遥かな未来に新しい生命が人類滅亡を研究する時がくるのもSF的な面白さではあります。

結論めいたものは無いのですが、持続可能社会を実現するために私達の生活の質を落とすことは困難で、さらにはそれが出来たとしてもそれだけでは既に遅い気がします。ただ唯一人類の進化の方向の一つに科学技術の発展があるなら環境破壊をも改善させる圧倒的な科学技術の開発のみが社会を持続可能にする道である気がしてなりません。

年始のドラマ教場見ましたか。面白かったですね。木村拓哉さんから思いを言葉にすることの大切さを教えて頂きました。

ところで毎朝読む新聞は言葉の塊と言えますが、年始早々その新聞から明日への一歩を踏み出す勇気のある言葉を頂きました。社会の進化と題する特集記事で科学者を志望する若者の将来の方向性への迷いと不安に千葉工業大学の古田先生がこのように答えていました。

「質問を書いた少年に伝えたい。決して諦めるな。科学者になりたいなら自分の判断を信じろ。磨け。自分で行動できるようになれ。情報を取りに行け。行動あるのみ。興味がある先生ところに自分で行こう。自分で確かめよう。今すぐやろう」

いかがでしょうか。若者との対話を超えたすべての人の背中を押してくれる言葉になっていると感じるのは私だけでしょうか。

新聞は最近ではアナログの代表のような扱いですが、私にとって欠かせないもので、いつからか覚えていませんが毎朝のルーティンになっています。自分で新聞を取り始めて27年になりますので月5千円の購読料とするとこれまでに167万円の投資になります。一瞬あせります。でも止められません。

新聞の向こう側には地理的な意味以上の世界の今現在が広がっています。明日もワクワクしながら新聞を広げたいものです。

自分の判断を信じ、磨く。今すぐやる。今年こそそんな1年にしたいと思います。

本年もよろしくお願い致します。

「我々は過渡期にある。しかし何に向かっての過渡期なのかは誰にも、少しも分からない」シモーヌ・ヴィユ

2019年はこれまで世の中で少しずつ進んでいたことが誰の目にも明らかになった年であり、遠い所で起きていると思っていた社会現象がついに自分自身に影響を与え始めた年と言えます。

前者の代表が地球温暖化、消費税10%は後者の代表です。

私の属する建築内装業界でもこの変化による影響は顕著です。

誰もがネットで服を買う時代。物販店の工事は減り、ただし高級ブランドの出店は相次ぎ二極化の流れがはっきりとしました。コトを売るはキーワードになっていますね。高級ブランド店の豪華な店舗での買物はそれ自体がコト売りになるのでしょう。

一方でIT企業の隆盛とコワーキングスペースの興隆によりオフィス需要が高まり、また働き方改革により職場環境の整備は必須になり、さらにオフィスの質向上による人材確保といった気運の高まりも重なりオフィス工事が格段に増加しています。都心部の再開発もこれを後押ししています。そして、これらの影響が絡み合い以前あった3月と8月の繁忙期はなくなり、ずっと忙しいと言う夢のような1年でした。

さて来年です。3月がピークといった憶測があります。あとはオリンピックの影響がどう出るかですね。

先の分からない時代に突入しました。難しい時代です。とは言え先が分からないのはどの時代も一緒ですね。常に過渡期です。ではどうすれば良いのでしょうか。分かりません。分からない時には考える前に動く。やはりこれしかありません。来年こそそんな前のめりの年にしたいものです。

2019年師走もすでに後半です。光も陰もあっという間です。皆様1年間ご愛読ありがとうございました。

2020年。素晴らしい新年をお迎え下さい。