五十嵐 清隆 Feed

日曜日の午後。人を待っています。3名の大切な友です。友あり遠方より来たる。西の海の方からバスと電車を乗り継いでやって来ます。

生きる事を焦ってはいけませんね。待つことも楽しみましょう。待つ時間も大切な人生の一コマです。1日24時間の全てを楽しみたいものです。

中学の修学旅行で奈良の薬師寺に行きました。「3分間を精一杯に生きなさい」その時の高僧のご説教です。人は24時間頑張り続けることは出来ませんね。それを3分に分け気付いたら24時間全力を尽くしていました、そんな風を目指せといった意味なのだろうと当時私は思いました。

バブルの頃に時任三郎が歌っていました。24時間戦えますか。それが当時のサラリーマンのファイティングスピリットだったのでしょう。しかし時代は移りました。生産性を上げ戦うべき24時間を8時間に凝縮する。そして、充実の余暇を過ごす。これが現代のビジネスパーソンの流儀ですね。やりましょう。3分間脇目も振らずに8時間。おのずと24時間は8時間に凝縮されます。これこそが私達NENGOの心意気です。多分24時間戦うよりはるかに意味のあることだと思います。

今回は恐ろしい話から。

ある男が訳あってある家に身を寄せていましたが、体調がすぐれず身体が弱っていきます。どうも食事にわずかな毒が入れられているらしいのです。食べると毒で衰弱し食べないと空腹で衰弱する。どうにもならない情況です。

もう何十年も前に読んだ里見八犬伝の恐ろしいエピソードです。全体の内容は忘れましたが、このエピソードだけ戦慄と共に覚えています。

ところで現代の我々の食事や住まいはどうでしょうか。実はこの話に似た状況であるような事はないでしょうか。例えばビニールクロスに包まれた住宅はよく考えてみるとどうでしょうか。

私たちポーターズペイントは自然由来の様々なテクスチャーが出せる材料を世界最多の16色の顔料で色付けする美しいペイントです。

壁に色をつける装飾ではありません。壁に質感を与える仕上げです。空間に温かさと安らぎを与えるペイントです。空間が呼吸を始めます。

「そこに住まう人々を幸せにしたい」私たちポーターズペイントの願いです。

東京から富士山を見るとその手前に丹沢の山々が連なります。その丹沢を見ると私は決まって「詠み人知らず」という言葉を思い出します。

詠み人知らず。

数ある日本語の中でも最もロマンチックな言葉ではないでしょうか。「奈良、平安時代の和歌で作者不明のもの」といった意味と思いますが、ここでは大きく変えて遥かな日本の歴史の中で名も知れない人々が一生懸命に生き、そしてその子孫が私達だという意味で考えて下さい。少し無理がありますでしょうか。

連綿と続く人々の営みとそれを見てきた山や河、青空、雲、夕陽。これは千年をこえる昔から、そして未来永劫も続くものです。

その一方で人は祖先は会ったことがあっても二代前の祖父母までが一般的です。父母にしても若い時のことは想像の領域です。

その想像するしかない永遠の時の流れの中で後から続く後輩たちに、例え詠み人知らずであっても何かを残すことが出来るでしょうか。

その何かを創り出すために毎日があるのだと心に定めやって行こうと思います。

本年もよろしくお願い致します。

気が付いたら今年も残すところ2週間しかありません。今年の11,12月は例年になく忙しく毎日が必死だったせいか年末感がありません。もう一山越えて良い新年を迎えたいと思います。

思い返すと1年色々な事がありましたが、ここに来て周りの人のハッとするような素晴らしい人間性に接することが重なりました。思わぬ瞬間に人の素晴らしさが改めて感じられています。

例えば社内ではたいがいの人より私は年齢が上ですが、そんな事関係なく皆から学ぶべき事がとても多いなと感じています。

来年はそんな皆とより良い年にし、さらに周りの全ての人を幸せに出来るよう頑張ります。多分来年もまたあっと言う間の1年だと思いますが、今年の反省を踏まえ1日1日、1歩1歩を大切にし常に全力を尽くす1年にしたいと思います。

始めに言葉ありき。聖書にある深淵なる教えです。

これまで人並に読書をしたつもりですが、言葉と言葉を発する事の重要性についてはほぼ考えずに来てしまいました。その結果なのか瞬時の会話が下手になってしまい、人を引き付ける会話どころか、しっかり伝える、ごまかす、笑わせるなどとても難しいなと思います。時に自分にがっかりさえします。

いつだったか元ボクシングの世界チャンピオン輪島功一さんに、何事かを成し遂げたいなら勇気こそが大事だと教えられましたが、人を勇気づけるのも、人から勇気付けられるのも、自分自身を鼓舞して勇気を持つのも言葉無くしてはあり得ませんね。

周りの人のためになる良い言葉を上手に発したいものです。

下の詩は最近娘に教えてもらったものです。有名な詩らしいのでご存知かもしれませんが、このような言葉はいかがでしょうか。元気が出ると良いです。

「心に太陽を持て」

心に太陽を持て

あらしがふこうと、

ふぶきがこようと

天には黒くも、

地には争いが絶えなかろうと、

いつも心に太陽を持て。

くちびるに歌をもて

軽くほがらかに。

自分のつとめ、

自分の暮らしに

よしや苦労が絶えなかろうと、

いつも、唇に歌をもて。

苦しんでいる人、

悩んでいる人には、

こう、はげましてやろう。

「勇気を失うな。

 くちびるに歌を持て。

  心に太陽を持て。」

        ドイツ詩人 フライシュレン