五十嵐 清隆 Feed

芸術には様々なジャンルが有りますが最大の芸術は音楽であると言えます。

その音楽の中でも最大のものがベートーベンの交響曲第九番です。つまり人類が作り出した芸術は第九をもってその頂点を形成することになります。

音楽は時間と共にあると言えますね。出現した瞬間に音楽は消えてなくなります。心に残った様々な音の重なりが人の想像力を増幅させます。想像力は人固有のもので人を人たらしめているものです。やはり音楽こそが最大です。

第九のクライマックスは曲終了の瞬間にあります。壮大な90分はこの瞬間を迎えるためにあるのですが、終わる瞬間はまさに曲が終わる時で美しいものは永遠であってほしいと願うことが私達の思考であるために、逆にこの事が劇的な演出になっています。

私がつらつらと書くよりも是非改めて第九を聞いて下さい。下のURLは動画です。フラッシュモブというドッキリ的なものですが、第九の第4楽章第1主題でほぼ構成されています。曲終了の瞬間もバッチリ入っています。

それではごゆっくりお楽しみ下さい。

https://youtu.be/3lNaajK3Scc

義父が亡くなりました。平成が令和に改まった最初の日に葬儀を行いました。義母の病気を長年看病しつつ義母を残して逝ってしまいました。86才でした。

穏やかで言葉の少ない義父でした。一言で言うなら優しいお義父さんですね。微笑んでいる顔しか思い出す事が出来ません。

優しいだけの男は星の数ほどいる。何かの台詞だったでしょうか。
男は優しくて強くなければならない。強さはつまり我慢が効くということだ。これは浅田次郎のプリズンホテルの言葉です。

義父の優しさの根底には強さがありました。様々な出来事を思い返すと、どう考えてもそうとしか言いようがありません。
尊敬できる父を二人持てた私はとても運が良いと感じます。この二人の父は遥か遠く私の及ばない強い人生を送りました。追いつくことは多分出来ないでしょう。
何も言わなかった二人の父からなぜこんなにも、100の物語よりも多くを教えられるのでしょうか。

最後に宇多田ヒカルの「花束を君に」の歌詞を義父に聞いて貰えたら嬉しく思います。
「花束を君に贈ろう 愛しい人 愛しい人 どんな言葉並べても君を讃えるには足りないから 今日は贈ろう 涙色の花束を君に」

新幹線車内です。東北から東京に帰っています。様々なことのあった面白い一日でした。今缶チューハイを買うべきか、やめて家まで我慢すべきか考えています。

司馬遼太郎は言っています。「神様は人間に二つの体質をつくったようですね。それは、お酒が飲める人と飲めない人です」

吉村昭は小説で老いた主人公にラストシーンでこう言わせています。「お酒って良いものだな」

お酒は生き方に深く関わっているため、文章に「酒」が出てくると読み手は想像力が増し行間に何事かを感じます。ただ、今回は二人とも正しいようで間違っていますね。

まず司馬さん。神様はお酒に飲まれる人もつくっています。次に吉村さん。お酒は飲みすぎると良くないものですね。そんな感じです。決して体験から言っている訳ではありませんが。

「次は八戸」と車内放送がありました。八戸は有名な町ですが、実は近くに七戸も二戸もあります。一から十まであるのでしょうか。数字がしっかりと地名と言う文化になっています。青森の風土とその地の先人達の懐の深さを感じます。それに対して例えば西東京市。なじみのない私には地名と言うより方向と感じます。田無市とか保谷市の方が地域を感じるのですがいかがでしょうか。

今また車内放送がありました。盛岡に着きます。その次は仙台だそうです。ホームから次の駅が見える大井町線とはかなり違いますね。盛岡駅から仙台駅まで停まらずに時速300kmは涙が出るくらいありがたいのですが、東京一極集中の賜物と思うと話は複雑です。

以上はやぶさ36号7号車11番A席にて記しました。

「褒めて伸ばす? そんなものじゃありません。まずはしっかりと見てあげる。しっかりと見たうえで我慢して何かをやり切った姿があったら思いっきり褒める。褒めて伸ばすとはそういうことです」

「少しのことで良くやったね。すごいね。などと褒めていたら、底の浅い一人で何も出来ない人間になってしまいます」

ある幼稚園の先生の言葉です。さすがです。すでに名言です。参考にさせて頂きます。

この先生には娘と孫二人がいて、この三人への優しさは尋常ではありません。その指摘にも名言で返答がありました。「それは違います。私はいつも世界の全ての人の幸せを考えています」素晴らしい。さすがです。参考にさせて頂きます。

さらに最近ではAIに負けるなを子供たちへの教えに加えているそうです。グッドジョブ。時代の変化も的確に捉えています。

しかし、これら名言には問題があります。そうです。もうお分かりですね。そのある先生は私の奥さんなのです。うちの奥さんはいつの間にかひとかどの人物になっていました。やはり私などでは勝てるわけはありません。

ある幼稚園の先生の言葉です。

「私が最近気を付けているのが園児への声のかけ方。例えば片付けをなかなかやらない子に、早くやらないと遊ぶ時間がなくなるよと言うのではなく、早くやるとこんなに遊ぶ時間があるよと言うようにしている」

「そのことにどんな意味があるか分からないけどそんな言葉の使い方が大事な気がしている。誰かに教わったわけではないけど最近そんなことをしている」

なかなか奥深い名言です。子供達としっかりと向き合っているからこその思いなのでしょう。私も見習ってそんな発言を心がけようと思います。

ただ、実はこの名言には一つ問題があります。そのある先生は実は私の奥さんなのです。自分の奥さんから名言を頂くのは何と言いましょうか「微妙な感じ」です。