国土の均衡ある発展

東京に生まれ東京に育った私は、故郷の山や河のありがたさを知らずに生きてきました。実家の近くの呑川は子供シンゴジラが破壊しながら上がって行きましたが川と言っていいのか問題です。

ところで先日、仕事で高崎に行く機会がありました。高崎は言わずと知れた北関東の中心都市ですが残念な事に今一つ街に活気が感じられませんでした。ほとんどの地方都市に過疎化の波が押し寄せているのでしょう。

私は子供のころから地図が好きでいつも日本の隅々まで見てきました。だからこそ地方都市が東京一極集中の中で埋没してしまうことが残念でなりません。

実は横浜市ですら高齢化が懸念されています。安心していられるのは武蔵小杉という人口吸引装置とわがNENGOのある川崎市だけです。しかし、その武蔵小杉ですらその後をどうするかが問題になっているそうです。

いずれにしろ日本の各地に個性的な街があるのは考えただけでワクワクします。旅情をそそります。ただ、もう無理ですね。すべての都市は小東京化し個性が消えました。小京都は良いですが小東京はだめです。小京都は歴史に裏打ちされすでに文化ですが、小東京は表面的で底の浅さが露呈されます。その結果新幹線を降りるとどこも見分けがつきません。

人口減少時代の地方の活性化。難しい問題です。解決策は完全な発想の転換しかない気がします。こう考えると私どもNENGOの掲げる「らしさデザイン」を広めることこそがやはり私たちの責務です。山や河のない街でも故郷は残さなければなりません。