毎日の生活の中コロナ禍も峠を超えたかのようについ感じますが、世界的に見れば未だ感染は拡大中のようです。大勢の人がいる場所に出くわすと、自分もその中の一人でありながら恐いなと感じる奇妙な世の中になりました。これがウイズコロナ社会なのでしょうか。
コロナ禍に対する知の巨人達の見解に以前ほど触れる機会は減りましたが、歴史的に感染症が人類社会に大きな変化を与えて来たことを知りました。歴史の授業では学ばなかったことです。例えば14世紀のペストの感染拡大から「神様はいないのでは」「どうせなら楽しく生きよう」と人々が考えるようになり従来の価値観が大きく変化し現れたのがルネッサンスであり、またペストによる労働者人口の激減と労働意欲の減退で領主は持っている土地を管理しきれなくなり、労働者に土地使用方法を任せたことから生まれたのが資本主義だそうです。コレラや結核も都市インフラの近代化を促進させたそうです。今回のコロナではテレワークの普及がそれに該当するのでしょうか。
生物学の福岡伸一先生からは驚きの知見を頂きました。まるでSF映画を見るようです。私には少々難しく間違っていたら申し訳ないのですが、要約すると「顕微鏡レベルでウイルスが宿主に入る様をみると、むしろ宿主の細胞が積極的にウイルスを招き入れているかのような動きをしている。これはいったいどういうことだろうか。実はウイルスの誕生は高等生物の登場の後にある。ウイルスの起源は高等生物の遺伝子の一部が外部に飛び出したものであった。その自分たちの一部だったウイルスが何等かの原因で流れて戻って来た結果宿主はこれを迎え入れているのだ。では一体何のためにそんなことをするのか。それはおそらくウイルスが進化を加速してくれるからである。親から子に遺伝する情報は垂直方向にしか伝わらない。しかしウイルスのような存在があれば、情報は水平方向に、場合によっては種を越えてさえ伝達しうる。その運動は時に宿主に病をもたらすこともありうる。しかし、それにもまして遺伝情報の水平移動は生命系全体の利他的なツールとして情報の交換と包摂に役立っているのだ」福岡先生の文章を越えられず途中から抜粋と写しになってしまいました。
驚くべき知識・見識です。私にここから何かを導き出せるような定見は無くただ驚くしかありません。ウイズコロナは分かりませんがウイズウイルスが当たり前のことを認識します。人込みを作ることを避け、手を洗い、マスクをするといった当たり前のことを行い、経済活動を行っていくしかありません。当たり前のそんなことしか出来ませんが、以前よく言われた正しく恐れる。そして一歩ずつ踏み出していくことが私達に課せられた使命と感じます。