素朴な素材から作られる画材、素材を熟知した絵師達によって研究されてきた技法。
奥深く、いつか習ってみたいと思って思いつつ手の届かない存在となっておりましたが、
思いが叶い1枚の作品を仕上げることができました。
日本画に対するハードルが下がったのは、昨年オープンしたPIGMENT TOKYOがきっかけ
です。伝統画材をもっと多くの方に広め、日本中にあるこだわりの画材を一同に集め、初心
者からプロまで実際に見て触って試すことのできる体験型ショールームで、必要な説明は
作家活動もされているスタッフから受けることができという素晴しい施設です。
接着剤の役割をするもの+色をつけるもの。
西洋画でも東洋画でも伝統画材は自然素材からつくられてとてもシンプル。
動物の皮や骨からつくられる膠(接着剤の役目をしているもの)に、天然石を粉末にした
岩絵の具(顔料)を溶いてつくります。
(写真下:実際に湯煎して柔らかくしている途中の膠(にかわ)です)
次に岩絵の具。鉱物(石)を細かく細かくした粉を接着剤に馴染ませ、表面に定着させて
おります。鉱物が粗いほど元の鉱物の発色となり、細かいほど白っぽい発色となります。
故に発色の良い色できめ細かい顔料を入手するためには多くの技術や貴重な材料を必要
とするためとても高価でした。現在でも岩絵の具は量り売り。
ペイントにも画材づくり。
顔料の生い立ちや、動物の種類によって使い勝手が異なるという説明を受け、画材になる
までの下ごしらえが如何に重要であるかということを知りました。季節によって使い分ける
ことなど日本で培った知恵の集積もしかり、日本画を見る視点がこれから変わりそうです。
春以降もワークショップ目白押しのPIGMENT TOKYOにみなさんもぜひ一度足を運んで
みてはいかがでしょう。次回テーマは「カキツバタ」のようです。
PIGMENT TOKYO
https://pigment.tokyo
ポーターズペイント中込でした。