皆さんこんにちは。
伝統文化萌えカラーコーディネーター安田です。
「緑を見る、あるいは緑の空間に囲まれるとリラックス効果がある。」
というのを聞いたことのある方は多いのではないでしょうか?
しかし、空間のコーディネートをさせていただく上で、
全部まとめて「緑」と言ってしまうのはあまりにも雑だと思います。
そもそも本当に緑にリラックス効果があるかどうかに懐疑的な方もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、「癒しの緑」についてのお話です。
1、「緑=リラックス」は本当か
そもそもなぜ、緑色が「リラックス」という言葉と結びついているのでしょうか?
それはきっと「植物の緑」「自然の緑」とごちゃまぜになってしまっているのでしょう。
植物に囲まれると、
木陰があり、風が吹けば葉のこすれる音が耳に心地よく、地面の蒸散や、光合成による酸素の供給、マイナスイオンが出ているなど、
「リラックスする」環境が整っているので、一概にそれが「緑色だからリラックスする」とは言えませんね。
確かに、紅葉していても、リラックスしますよね。
つまりこの時点では、
「植物」と「リラックス」の因果関係はわかっても、
「緑」と「リラックス」の因果関係はありません。
2、緑=目に負担のかからない色
ここから少し突っ込んだ話になります。
人間の目は、光を捉える視神経が3つ存在します。S、M、L錐体(すいたい)です。
この3つはそれぞれに反応する光の波長が異なります。
S錐体=短波長の青系
M錐体=中波長の緑黄系
L錐体=長波長の赤系
これら3つの錐体の反応を合計したのが「標準視感度」です。
そして、標準視感度がもっとも強い反応を示すのが555nm(ナノメートル)で、これが「緑」なのです。それも少し黄よりの緑がベストのようです。
つまり、もっとも知覚しやすく、目に負担のかからない色なのです。
その結果、積極的な「癒し効果」はありませんが、「目に優しい色」という意味でリラックス効果があるというのは本当と言えます。
これでようやく
「緑」と「リラックス」の因果関係が分かりましたね。
3、「連想するもの」と「効用」をごっちゃにしない
さて、今回わかったように、
植物に囲まれている環境を「緑色に囲まれている」と変換してしまうと、
その効用の論点がずれてしまいます。
色そのものが持つ効用と、
その色から連想するものの効用をごっちゃにしてしまうと、
コーディネートをする際に間違った方向に導いてしまうことがあります。
ちなみにNENGOのオフィスは淡いグリーンのオリジナルカラーです。
私たちは、色のことだけを考えるのではなく、
そのものの持つ質感や特性まで理解したうえで、最適なご提案をさせていただきます。
空間の「心地よさ」のことでお困りのことがあれば、
是非お声かけください。
では。