中込 亜矢子 Feed

ポーターズペイントではセンスで色を提案するのではなく根拠に基づいた提案を心掛けております。

色が人間に及ぼす影響について、先日まで行われていた全仏オープンテニスの試合からご紹介させて頂きます。

赤は、反応速度や力を増加させる色というのをご存知でしょうか。赤は攻撃性を増すことが知られており、スポーツにおいては赤いユニフォームを着用することで勝敗が上がるとも言われております。

赤いユニフォームで印象的なのがプロテニスプレーヤーの錦織圭選手。
赤いユニフォームで勝利したリオオリンピック。3位決定戦では3時間近くにも及ぶ試合で世界ランキング2位のスペインのラファエル・ナダル選手を下しての勝利でした(オリンピックの男子テニスでは96年ぶりの快挙だったのです!)。





YouTube: 2016/8/15 テニス3位決定戦 ハイライト


色によって人間が受ける影響は2つ。
1つ目は皮膚から受ける影響、2つ目は視覚から受ける影響です。両者に共通して興奮状態を大きく影響を与える色といわれるのが赤です。赤は反射した色が赤外線となって皮膚下の血液の循環を促進と、目から入った長波長の赤外線で脳の視覚皮質で交感神経を刺激し脈拍を早める両面から興奮につながる色と言われています。

つまり、赤いユニフォームを着用することで興奮状態となり思わぬ力を発揮できる!?というのが根拠です(体調によっては赤が逆効果になることもあります)。


では、赤の補色である緑のユニフォームを着用した場合はどうでしょう。

今年の全仏オープンはラファエル・ナダル選手が10度目の優勝で幕を閉じました。錦織圭選手は残念ながら準々決勝で敗退してしまいました。なんとその際に着用していたのが緑のユニフォームでした。

その準決勝以外にも韓国のチョン・ヒョン選手との3回戦、緑のユニフォームで臨んだ試合でも大苦戦しておりました。雨の順延が無ければ負けていたかも知れない試合でした。





YouTube: 【テニス】全仏 錦織圭vsチョンヒョン

緑はリラックス効果のある色と言われております。緑は皮膚に対しても、目から入った際にも刺激が一番少ないのがその理由です。しかし、勝負の場面では刺激が有効なのかもしれませんね。

スポーツの勝敗を分ける色をみなさんの目で確かめてみて下さい。
ポーターズペイント
中込

あけましておめでとうございます。
ポーターズペイントの中込です。

年末年始、皆様はどのように過ごされたでしょうか。

私はある素敵な本との出会いをして2017年を迎えることが出来ました。

話は5年ほど続けている京都で年末年始を過ごす機会からはじまります。
東京の自宅を朝4時台に出て、京都に8時過ぎ。
京都駅に降り立つと、真夜中の東京よりもはるかに痛く感じる寒さに今年もまたここに
来れたことを実感し、毎年京都での年末年始の旅はスタートいたします。

数カ所は必ず毎年行くと決めて旅程を組んでおりますが、年を重ねても止められないが
この旅行に仲間が増えることです。今年は5人もの友人と旅先で合流するといういつに
なく賑やかな旅行となりました。スペイン語では”VACILANDO" と表現するようです。


久しぶりの再会は時間が経つのも忘れるぐらい楽しいもので、このような時間のことを
アラビア語で"SAMAR"  というそうで、今回も例外なく友人たちと過ごすことが出来ました。

そして、5回も京都の年末年始に通ってぜひ味わってみたいと思っていた京都ならではの
一品、白味噌のお雑煮を頂くことが出来ました。

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米国から帰国して4年目で初めてこの一杯を出されたという小料理屋さん。きっと伝統ある

京都の味を再現するまでの思いがあったのだと感じました。このような愛情を込めて丁寧に

作られた料理のことを"MERAKI"というギリシャ語では表現するそうです。

自分が知っている言葉だけではその喜びを伝えきれないぐらいの機会を今回も得ることが
出来ました。

そしてご紹介したいのが、今回のブログのタイトルにもさせて頂いた本との出会いです。

久しぶりにタイトルに惹かれて手にした1冊でした。

皆さんは日頃”言葉にできない気持ち”を抱いたことはありませんか。

私は日頃、ポーターズペイントというペイントで、日本ではまだあまり知られていない色彩と
質感が織りなす心地よい住まいを提供しております。

その過程で、ポーターズペイントが創り出す空間の心地良さを程よく伝える言葉をなかなか
見つけることが出来ませんでした。"GEZELLING"というオランダ語と出会い、皆さまにお
届けしたいポーターズペイントならではの空間は当にこの言葉ではないかと!

そして、色相談という住まいのカウンセリングを通した接客では"눈치" という韓国語の言葉
を心掛けて参ります。

ぜひ皆さまに、2017年は"GEZELLING"という形容詞を使ってポーターズペイントを伝え、
"눈치" の気持ちを持って頑張って参りたい所存です。

年のはじめから素敵な出会いを引き当てられたのも、一重に15年目を迎えたポーターズ
ペイントを支えてくださったスタッフ、並びにリピートくださるお客様に他なりません。


ぜひ、皆様も本屋に立ち寄る機会がございましたら、しっくりくる言葉を見つけてみてください。


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今後ともポーターズペイントをどうぞよろしくお願い致します。

こんにちは、ポーターズペイント中込です。
アンティークという言葉を本当の意味で使えるシチュエーションが限られて
いることをご存知でしょうか?

アンティークとは1934年にアメリカで定められた関税法で「100年を経過
した手工芸品・工芸品・美術品」とされております(ビンテージにも実は

同様な古さの定義がございます)。

100年をも時を刻んだ家具を目にする機会もとても貴重ですが、今回は
その家具に手を加えることの相談を頂きました。

今回、100年を越えたフランスの扉を利用しクリスマスのディスプレイの
アレンジの色提案をお手伝いさせていただきました。新しい役割を担った
扉が果たす役割はメッセージボード。PORTER'S PAINTSのチョーク
ボードペイントを組み合わせ、集合住宅での入居者の方々を迎える役割です。

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通常は12色からご案内しているPORTER'S PAINTSのチョークボード
ペイントですが、今回の目的に合わせ、KINDER GARDENというオリ
ジナル色をご案内させていただきました。

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PORTER'S PAINTSは元々ヨーロッパの修復技術にヒントを得たペイントです。

さも、そこにあったかのような表現のお手伝いを得意としており、100年受け
継がれたテイストを引き続き大切に受け継いでもらえるようなお手伝いを
PORTER'S PAINTSでご案内させていただければと存じます。

また、NENGOでは住み継ぐべき文化財の保存のお手伝いもしております。

ご興味ございましたら、下記のブログもご覧ください。
http://www.nengo.jp/matoba_memo/2014/12/post-308.html
※現在こちらの物件は継承いただける方が決まっております。

ポーターズペイントは他の塗料と何が違うの?と質問をいただくことがあります。

他の塗料との一番の違いはずばり、色の表現力です。


実は私自身も前職でポーターズペイントユーザーでした。お客様に提案する立場

におりましたので、ポーターズペイントの色は人一倍自信を持って皆さんにお勧め

をしたいです。

ガーデンデザインでは、如何に不自然さを感じさせる要素をなくしていくかがとても

重要です。人工的な色が使用されている既製品は使わず、木材やレンガといった

ナチュラルで、植物に添えても不自然に感じさせない色の素材を使っておりました。

そのため、引き立て役になる素材は限られており、プランに使用する素材探しには

大変苦心しておりました。

ポーターズペイントに出会って10年。池尻大橋の当時のショールームに足を運び

カラーカードを買って帰ったときの喜びは今でも忘れません。今でもその時のカラー

カードは大切に使っております。


ポーターズペイントはさも、そこにあったかのような色表現で真新しさを感じさせない

かわりに、風景に馴染むような存在でいてくれます。長くお使いになっている空間や

家具に手を加えるとき、新しく加わる素材がそれらと仲良く馴染み、みなさまの生活

に寄り添ってくれる。派手さはないですが、ほっとするような心地よさが私は好きです。

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ちょっと奇抜な色使いですが、嫌みの無いこちらの赤"KARMA SUTRA”。

植物を魅力的に引き立てているこちらは京都の北白川にある花屋MATAHARIさん。

日本の伝統文化の中心である京都から、生け花を始めとする和の様式と、様々な文化

の融合する中東、モロッコなどのマグリブ地域の様式を融合させた新しいスタイルをうた

っているだけあってひと際目を引く色使いですが、不自然さを感じさせないコーディネート

がとても素敵です。

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今回ご紹介させていただきましたのは

MATAHARI(マタハリ)
〒606-8266 京都府京都市左京区北白川久保田町16-2
TEL 075-712-7622 FAX 075-746-3570
OPEN 10:00 – CLOSE 19:00 定休日:木曜

DESIGN :浅見建築設計室
TEXTURE:STONE PAINT COARSE
COLOR :KARMA SUTRA
担当:インテリア末永(PORTER'S PAINTS KYOTO)

PIGMENT TOKYOにて人生初の日本画も習って参りました。
今回の作品テーマは「桜」。

素朴な素材から作られる画材、素材を熟知した絵師達によって研究されてきた技法。

奥深く、いつか習ってみたいと思って思いつつ手の届かない存在となっておりましたが、

思いが叶い1枚の作品を仕上げることができました。

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日本画に対するハードルが下がったのは、昨年オープンしたPIGMENT TOKYOがきっかけ

です。伝統画材をもっと多くの方に広め、日本中にあるこだわりの画材を一同に集め、初心

者からプロまで実際に見て触って試すことのできる体験型ショールームで、必要な説明は

作家活動もされているスタッフから受けることができという素晴しい施設です。

接着剤の役割をするもの+色をつけるもの。

西洋画でも東洋画でも伝統画材は自然素材からつくられてとてもシンプル。

動物の皮や骨からつくられる膠(接着剤の役目をしているもの)に、天然石を粉末にした

岩絵の具(顔料)を溶いてつくります。

(写真下:実際に湯煎して柔らかくしている途中の膠(にかわ)です)

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次に岩絵の具。鉱物(石)を細かく細かくした粉を接着剤に馴染ませ、表面に定着させて

おります。鉱物が粗いほど元の鉱物の発色となり、細かいほど白っぽい発色となります。

故に発色の良い色できめ細かい顔料を入手するためには多くの技術や貴重な材料を必要

とするためとても高価でした。現在でも岩絵の具は量り売り。

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ペイントにも画材づくり。

顔料の生い立ちや、動物の種類によって使い勝手が異なるという説明を受け、画材になる

までの下ごしらえが如何に重要であるかということを知りました。季節によって使い分ける

ことなど日本で培った知恵の集積もしかり、日本画を見る視点がこれから変わりそうです。

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春以降もワークショップ目白押しのPIGMENT TOKYOにみなさんもぜひ一度足を運んで

みてはいかがでしょう。次回テーマは「カキツバタ」のようです。

PIGMENT TOKYO
https://pigment.tokyo

ポーターズペイント中込でした。