タシロさんの自転車屋

こんにちは。
セルフペイント担当の竹藤です。

私事ですが、最近1人暮らしを始めました。
特になにも考えずに決めた町なのですが、
住んでみてまず感じたことは「なにもない町だな・・・」という感想でした。
住んでいる方には失礼だなと思うのですが、
今まで縁もゆかりもない土地で、
しかもその地域に知り合いが全くいないというのも、
初1人暮らしの私にとってとても不思議な感覚でした。

家から駅までがやや遠いので、
自転車を購入しようと検討していたとき、
駅の近くにある自転車屋さん「タシロ自転車」に入りました。
自転車に乗るのは6年ぶりだし、
自転車に乗って出かけても自転車を忘れて帰って来てしまうことがよくあるので、
なんか適当な自転車でいいかと考えていました。
タシロさんに「1万円くらいのものはありませんか?」と話しかけると、
「1万円くらいのものはね、うちには置いてないんだよ」
と、優しく話し始めました。

1万円くらいの自転車をおいていない理由は、
「買ってもすぐにブレーキが駄目になってしまう。
そもそも弱いブレーキを使っているからもう直すことはできないし、
わざわざ修理に来てくれるお客さんの時間がとられるだけだから」
とのこと。
そこからブレーキの構造なども簡単に教えてくれました。


タシロ自転車はタシロさんが二代目で、
昔から地元に根付いたお店だそうです。
幅が2mくらいしかない細長い小さなお店なのですが、
いつも地元の人で賑わっています。
タシロさんはただ修理や販売をするだけではなく、
「これくらいであれば自分で直せるから、わざわざうちに来なくても大丈夫だよ」
と、お客様に部品の直し方を丁寧に教えます。
また鍵をかけ忘れて、自転車を盗まれたというお客様には、
「最近は物騒だから」
と、防犯用かごネットと鍵用キーホルダーを付けていました。

お客様みんな「家族」や「親戚」のように出迎えて
温かい笑顔で優しく対応するタシロさんに惚れて、
もちろん自転車はタシロ自転車で購入しました。


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自転車の調整中、タシロさんとタシロのお母さんと3人で、
タシロ家の息子たちの話や仕事の話、恋の話、趣味の話、町の話で大盛り上がり。
最近ではタシロのお母さんから
「ちゃんとご飯を食べているのか?今度みかんを取りに遊びにおいで」
という電話をもらいました。

タシロさんは当たり前のようにやっているけど、当たり前のことではない。
会うたびにとても学ぶことが多く、自分の行動を考えさせられます。
それと同時に気付いたのは、今住んでいるこの町には「なにもない」のではなく、
「地元に根付いたタシロさんがいる」。
タシロさん=その町。
大げさかもしれませんが、そんな感じがしました。
住んで4ヵ月、この町に愛着を感じ始めました。
こうやって「愛着」って生まれるんだなぁと実感しました。

自転車は忘れずに乗って帰っています!
タシロさんいつもありがとう!


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