そのこだわりは本当に「豊か」か?

皆さんこんにちは。
伝統文化萌えカラーコーディネーター安田です。

皆様、色に対するこだわりはお持ちでしょうか?
そしてそのこだわりが反映された色は、本当に空間を豊かにしてくれているでしょうか?

先日、会社でお客様の対応をした際、
こんなことを仰ってました。

「無難な色は嫌だ。」と。

沢山の想い出の詰まった家具(ミッドセンチュリーやアールヌーヴォー)を持っておられ、
それを新居に飾りたいというご希望をもちつつも、
壁も決して妥協したくない、という強い意思でした。

私たちがカラーコンサルティングを受ける際、
こうしたお客様の強いご要望が前面に出てくることがよくあります。
色のことをこだわればこだわるほど、です。
それは大変素敵なことで、
私たちはその想いを後押ししたいと思います。

一方で、
その「想い」や「こだわり」は、
本当にその空間のポテンシャルを引き出してくれるかどうか、
それをしっかりと客観的にジャッジしていきます。

「無難な色」とは、何を以て無難なのか。
そこには、
空間やライフスタイルを『考え抜いたかどうか』がポイントになります。

例えば白、淡いグレー、それは一見どこにでもある色のように見えますね。

しかし、その白や淡いグレーが、
多角的に、様々な切り口で空間を考えた結果導きだされたものであれば、
それは「無難」なのではなく、
空間を最も豊かにしてくれる「ベストな色」となります。


<「尾道の家」。壁面はSTONE PAINT COARSE のSHELLGREY。グレーだからこその美しさがあり、背景色として、空間全体を柔らかく包み、家具を引き立てている。>

Photo_2



それを、「白やグレーは無難だから」と決めつけて、
考察なしに少し変わった色を加えたりすると、
かえって壁が主張しすぎたり、
置きたかった家具が合わなかったりと、
本末転倒なカラープランになってしまうのです。

こだわりを持つことは、愛着へと繋がる大切な要素です。
ただそれが空間のポテンシャルを狭めるものであれば、
私たちが客観的に軌道修正し、ポテンシャルを最大限引き出せるよう、
アドバイスをさせていただきます。