「心地よさ」のヒントは身近に隠れている ~生活に季節を取り込む方法~

皆さんこんにちは。
伝統文化萌えカラーコーディネーター安田です。

「襲の色目」をご存知でしょうか?
「かさねのいろめ」と読みます。

平安時代より、服飾の表地と裏地に配された、日本独自の配色方法です。
そこには季節の景色が織り込まれ、日本人の山川草木に向ける細やかな感性が宿っています。

さて、本日お弁当を包んでいたいつもの卵柄の風呂敷がなく、
慌てていたところ、妻が引き出しから出してくれたのがこれでした。

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おお!こんな素敵な風呂敷がうちにあったのね!
と思わずうっとりしてしまいました。

色の組み合わせは、「花山吹(はなやまぶき)」。
浅紅に黄の組み合わせです。まさに春の訪れを感じさせる配色ですね。

結び目はその2色がまじり合って、一層、春です!

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季節の風物を自分の身の回りに配して楽しむのは、
自然と共生してきた日本人ならではと言ってもいいですね。

壁の色を変えていくという方法はもちろんですが、
まずはもっと身近なところにある季節の色、配色のヒントを探ってみてもいいものです。

空間の色を決めていくときには、
壁の色の他にも、
家具、窓廻りのカーテンやブラインド、床、の「色」と、
それらの「質感」が大変重要になります。

今日の風呂敷の色を、
そのまま壁に塗っても、いい空間にはならないでしょう。
「花山吹」が風呂敷のさらっとした肌触りとともにあって、
総合的に「心地よい」のです。

空間に点在する諸要素、その全てを総合的に考えてこそ、
壁の色が引き立つのです。

では。